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【受講生募集】2022年4月新設クラス、新講師のご紹介【vol.3】※川合朋郎先生にインタヴュー

2022年2月28日

2022年4月開講・通常講座、単発講座受講生募集

2022年前期通常講座・単発講座受講生を募集開始いたします。
通常講座では、新設クラスや、授業内容を大幅リニューアルしたクラス、単発講座では新講師による新シリーズがスタートします。どのようなクラスなのか、先生はどんな方なのかを《全3回》に分けご紹介いたします。今回は【vol.3】です。

【vol.1】はこちら
【vol.2】はこちら

◆単発講座に新シリーズ登場

単発講座「絵画研究入門講座―画家の目」を開講します。絵画制作における基礎であり根幹となる「観察眼」を集中的に鍛える講座です。モチーフを純粋に見て実直に描くだけではない、いつもと違った視点を盛り込んだカリキュラムで受講者に気づきをもたらします。
講師はスクール初登場の川合朋郎先生。まるで現代における神話のような、詩的な世界を描く、新進気鋭の若手作家です。

川合朋郎先生

1976年大阪生まれ。
2003年東京藝術大学大学院修了。
現在、無所属で活動。
個展(NICHE GALLERY/銀座、cafe&gallery W.MORRIS/渋谷、福住画廊/大阪、さんしんギャラリー善/静岡、TOPOS/長野、ギャルリーくさ笛/愛知、等)、グループ展(三島・パサディナ姉妹都市交流美術展/静岡ALLME ARTSPACE/韓国、Bunkamura Box Gallery/渋谷、みぞえ画廊/福岡、スパイラルガーデン/青山、Pg Art Gallery/トルコ等)にて開催。VOCA展2016に出品。その他、東京、大阪、京都、韓国、アメリカ、中国アートフェア、第15回ホルベインスカラシップ等、国内外にて多数出品。 ホームページ

川合生に講座のこと、ご自身の作品についてお伺いしましたのでご紹介いたします。

──「画家の目」と題したこの講座について教えてください。
これから絵画制作していきたいと言う人に向けて、信頼できる強固な基礎力を養っていける講座です。特にものを観る目、画面を観る目を鍛える事に焦点を当てています。描く力は、すなわち観る力です。人は自分のフィルターを通してでしかモノを観る事はできませんが、経験を重ねる事によりその視野は広がります。講座では、毎回1つの技法に絞っています。絵画制作の楽しさを知りつつ、ゆくゆくは自身の絵を俯瞰できる広い視野を獲得していけたらと思っています。

川合朋郎先生作品

──ご自身は「画家の目」として、普段から意識して観ているのでしょうか?
私もプロとして、生活や立ち振る舞いから意識してモノを観ていると思います。画家と言うからにはその視点にも責任がありそうです。何をどう観て生きているかが作品に現れるからです。

──先生の作品について教えてください。制作する上で大切にしている事はありますか。
下塗りして画面を眺める事です。絵の具の色ムラを眺め、見えてくる図像をとらえて、私以外の人にも見える程度に描き起こします。私は、自分よりも画面に期待しているところがあります。下地の中に探すと自分でも思いもつかないものが見えてくるからです。へぇ〜と思いながら描いてます。2〜3年くらい画面を眺めています。

川合朋郎先生作品

──随分と長い間眺めているのですね。エスキースはされないのですか?
エスキースはしません。長い期間眺めていると心理状態も様々変わり、見えてくるものも、その時々で違ってくるようです。無理して捻り出すと言う事をしません。理想は、他人が見るように自分の作品を観る事です。結論を求めにいかず、作品を『俯瞰する目』を意識しています。作品ができてから題名を考えたり、何が描かれたのか、なぜ今自分はこれを描いたのかを考え続けたりします。

川合朋郎先生作品

──講座の最終的な目標として絵を俯瞰できる広い視野とおっしゃってましたね。
自分の絵なのに、自分で観る事ができないと言う人は俯瞰する目が必要だと思います。固定概念にとらわれない、俯瞰できる視点です。例えばモデルさんを見た時、顔や手など、一部分しか見てないとカタチは合わないし、顔を描いてて似ないのも、顔という固定概念にとらわれているから。描こうとするものから一度離れたフラットな視点。それを獲得できるような講座を考えています。

──最後にメッセージを。
絵を描くことを本気で考えるきっかけになる講座です。制作する上で大切にしていることや、日頃考えていることをお話ししながら絵画が生まれる雰囲気を作りたいと思います。

講座の詳細、申込みはこちら
⑬ 絵画研究入門講座 ―画家の目― 【先着順】
日程:6月12日 7月10日
講師:川合 朋郎
定員:15名
受講料 15,200(画材代2,200円込)

絵画制作における基礎であり根幹となる“ものを見る目”、“画面を見る目”を鍛え、培うことを目的とした講座シリーズです。観察力とは、物事の状況を注意深く見る力、“気づく”ことです。この観察眼が絵画を制作する上で重要であることを自覚することが第一歩となります。人は自分の認識フィルターを通してしか世界をみることができません。自分が認識した事物が自分の世界となり、その世界の中で考え、判断し、行動します。観察眼を養うことはあなたの世界を広げることとなります。
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