【講座の様子】新設!火曜夜間2クラス(大川心平先生)
2021年6月6日
◆描くことを生活の一部としていく《火曜夜間2Aクラス》◆
2021年4月より新規スタートいたしました火曜夜間2クラス。
こちらは隔週でAクラスとBクラスに分かれ、Aは「生活の中の絵画制作」、Bは「層で考える絵画技法」と、それぞれ違ったテーマを設けています。
今回はAクラスの様子をご紹介いたします。
火曜夜間2クラスを担当されている講師は大川心平先生です!
大川心平先生
大川心平先生のペンと水彩による作品
プロフィール
1983年 東京都生まれ
個展(NICHE GALLERY/銀座、Gallery godo/ソウル、京王プラザホテル ロビーギャラリー/新宿など)、山下裕二の隠し球展(日本橋三越本店/日本橋)、アートフェア(ソウル、台湾、香港など)、FACE2016(東郷青児記念 損保ジャパン興亜美術館/新宿)他、国内外にて展覧会多数
Aクラスのテーマ「生活の中の絵画制作」は、身近な画材である鉛筆、色鉛筆、水彩絵の具の基本的な使い方を学び、絵を描くことを生活の一部としていくことを目的としたものです。
今期は、画材の基本的な使い方から始まり、画材に慣れること、エスキース(下絵)の取り組み方から本格的な静物画へと進んでいくカリキュラムとなっています。
◆まずは気軽に色鉛筆を楽しみましょう◆
5月11日、25日のカリキュラムは「色鉛筆の使い方」でした。
初日は授業始めに、大川先生からレクチャーがありました。
「鉛筆は色がすべて黒色で、芯の固さの違いで黒色の濃さに差を出し、濃淡として表現できるよう作られています。色鉛筆は様々な色が必要なので、芯は顔料+蝋+体質顔料で作られています。」
実際に色鉛筆で描いて説明する大川心平先生
「1色でしっかり塗り色をはっきり濃く出すこともできれば、筆圧を弱め薄い色も表現できます。また違う色同士を重ねて色を混ぜることも可能です。」
また、大川先生は具体的な作家を挙げ、紙の白を効果的に残した作品、濃い色調で写実的に描かれた作品、色鉛筆の線を残して描かれた作品を紹介。
同じ色鉛筆という画材で、全く違った表現の作品ができることに驚きました。
子供のころに使ったことのある色鉛筆は手軽さもあり、塗り絵など1色でパーツを塗っていくというイメージが先行していましたが、詳細なレクチャーを受け、絵の具のように幅広い表現ができる、静物画などの本格的な制作も可能な画材なのだと改めて実感しました。
レクチャーの後は実際にモチーフ(鳥のはく製、瓶、積み木の組み合わせ)を描いていきます。
モチーフを実際に描いていきます
初日は実際の❝描き始め❞を体験し、終了。
2日目は、さらに加筆し、完成へ。講評会も行いました。
スタートからそれぞれ慎重に描き進めている印象です。
課題の2日目がスタート。みなさん集中して描かれています
先生が個々の席に回り、アドバイスをしていきます。
先生が個々のレベルに合わせアドバイスをしていきます。
先生のアドバイスを受け、ポイントを押さえて加筆されています
色鉛筆の特徴を生かした羽の表現をされています
あっという間に講評会の時間になりました。
講評会。先生からの総評です。
大川先生「今回の課題は、色鉛筆の特質や使い方を知り気軽に楽しんでもらうために、画材としての色鉛筆を研究する制作となりました。色鉛筆を使って静物画を描くことが初めての方も多く、それぞれ前回のレクチャーの内容に留意しながら慎重に描き進めている印象でしたが、最終的には個性豊かで完成度のある作品が揃いました。」
個性豊かで完成度のある作品がズラリ
「色鉛筆はやさしい色合いが特徴なので、色の差の移り変わりをきれいに作ることができると、よりその特徴を活かすことができます。
今回の課題で取り組んだ色の感覚は、これから描く水彩画や他の画材の場合でも同じです。」
同じレクチャーを受け、同じモチーフを見て制作した作品ですが、当然のことながら完成した作品は三者三様。
モチーフのメインとなる鳥の剥製の描写に特化したものもあれば、鳥・ボトル・積み木それぞれの違いを描くことにこだわったもの、背景の布も含めたモチーフ全体の空気感を描いたものなど・・・
それぞれが制作の際に大切にしたものが見えてくるような作品となりました。
これから水彩画の講座を経て、どのような作品に展開していくのかがとても楽しみですね。