上野の森美術館

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【受講生募集】スーラの空間性・ゴッホの平面性に遊ぶ 今井陽子先生〈ゴッホ展特別講座〉

2019年11月20日

現在、上野の森美術館ではゴッホ展が開催中です(来年1/13まで)。
それに関連いたしまして、上野の森アートスクールでは12月14日〜15日にゴッホ展特別企画講座「スーラの空間性、ゴッホの平面性に遊ぶ」を開講します。

ご担当は今井陽子先生です。

今井陽子先生

この講座ではどのようなことが学べるのか、今井陽子先生に伺ってみました。

あなたはゴッホ タイプ?それともスーラ タイプ?

──なぜ「ゴッホ」の他に「スーラ」を選ばれて講座を考えられたのでしょうか。
ご自身の好みを知る過程になれば、と考えた講座です。

ゴッホの作品

ゴッホの作品

ゴッホはオランダ時代の暗い明暗だけの絵から、明暗を鮮やかな色へと置き換えていく過程があり、さらに浮世絵の影響による輪郭線や平面性へと変成しました。
スーラは明暗の表現を、なんとか色を濁らせる事なく表せないか、苦心の過程があります。 

スーラの作品

スーラの作品

両者とも、まず明暗の表現から始まり、色を濁らせないよう模索したわけですが、作家のタイプが全く違います。

スーラは時間をかけてコツコツ進めるタイプ、ゴッホは一気呵成タイプ。

受講生の方々は意外にも、ご自身に合った絵のタイプを分かっていない人が多くいらっしゃるのです。自分はスーラタイプか?ゴッホタイプか?一緒に探っていきましょう。

自分は冴えた色よりグレートーンが好き、というような気付きも得られるかも知れませんね。

──授業の流れを教えてください。
まずスーラとゴッホの作例紹介をし、レクチャーへと進みます。

1日目の午前中はスーラの「明暗の観察」を参考に進めていきます。赤、青、黄色の三原色のみを使った点描で描くことがポイントとなります。点描は細かい作業と思われがちですが、全体的に進めていくことがスーラを読み解く鍵となります。完成度は求めていませんが、点描の作業は根気がいりますし、乾き待ちもあるので午後にはゴッホを。静物の作例を見て「色・タッチの方向・輪郭の有無」などを探りながら進めます。

二日目は続きですが、スーラとゴッホ、どちらが楽しいかの自覚は早めに出てくるかと思いますので、どちらかに偏っても良しとします。

──ずばり、この講座の目玉は!?
後にも先にも無いと思われる絵画史のエポックの中身が、様々な作家が明暗を基本にしたアカデミズムから、独自の自由な表現を模索し開花していく過程が詰まっていることに他なりません。

ですから受講する方にとっては「基本から応用へ」ー基本(明暗のデッサン)から個人の自分らしい表現をさぐる気付きが得られると考えます。

絵画史の変革期は喜びとヒントに満ちているのです。


ゴッホをテーマにした生徒作品


ゴッホをテーマにした生徒作品

──今井先生、ありがとうございました!

講座の詳細、お申込みはこちらから
2019年後期単発講座
スーラの空間性、ゴッホの平面性に遊ぶ【ゴッホ展特別企画講座】
日程:12月14日〜15日(土・日)10:30〜16:00
講師:今井 陽子
定員:20名
受講料 13,000円
抽選日:11月29日(金)※抽選日以降は空席があれば先着順となります。
持ち物:油彩、アクリル、アキーラなどの着彩道具一式、6〜8号程度のエスキース用、スケッチブック、キャンバス(6号程度2枚)※乾きやすい画材のアキーラがお薦めです。

お薦め画材一例