VOCA展2025 現代美術の展望 —新しい平面の作家たち—
最新情報
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各種チケットの販売は1月20日から開始します!
ペアチケット(数量限定) ※販売期間 2025年1月20日(月)午前10時~3月14日(金)23:59
あちこチケット(数量限定) ※販売期間 2025年1月20日(月)午前10時~3月22日(土)23:59
VOCA展2025
現代美術の展望 —新しい平面の作家たち—
The Vision of Contemporary Artの頭文字をとって VOCA(ヴォーカ)展と呼ばれる本展は、全国の美術館学芸員、研究者などに40歳以下の若手作家の推薦を依頼し、その作家が平面作品の新作を出品するという方法により、毎年全国各地から未知の優れた才能を紹介している現代美術展です。
今開催で32回目となる「VOCA展」は、平面美術の領域で国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に1994年より毎年開催し、延べ1,068組(1,079名)の作家が出展。ここから大きな躍進を遂げる作家を多く輩出しています。今年も「平面」の可能性を追求した多様な作品をご紹介いたします。
VOCA賞
VOCA賞 宮本 華子 《在る家の日常》
ミクストメディア
250.0×379.0×20.0 cm
VOCA賞受賞者 宮本 華子さんのコメント
相容れない家族という他者と、向き合うために制作を続けてきました。近年、両親よりも長く一緒に暮らした祖父母を家から見送りました。彼らの老いていく姿と終わりは私にはとても悲しく、同時にとても美しく見えました。「在る家の日常」は、何処にでもある家の出来事を「家」を作ることで形にした作品です。
推薦委員 関岡 絵梨花氏(キュレーター)のコメント(推薦文より)
宮本は、実父との違和感を起点に「家」や「家族」などを扱う。本作は、家をつくることを試みている。家の中には壁紙や玩具などが配置され、映像には、名もなき人たちの編み物をする手、家路に向けて歩く様子などが映し出される。「ありふれた日常」に対する「愛おしさ」を表すとともに、「家」や「家族」に「他者」の手が入ること/手を借りて生きることについて目を向けている。
VOCA奨励賞
VOCA奨励賞 諫山 元貴 《Objects #21》
ヴィデオ(ループ、無音)
247.8×142.3×12.0 cm
VOCA奨励賞
VOCA奨励賞 小林 万里子 《The Five Domains》
木綿、麻、鉄、アクリルガッシュ、コンテ、粘土、染料、ウール
248.0×376.5×7.0 cm
VOCA佳作賞
VOCA佳作賞 鮫島 ゆい 《Ritual Room (Pretend to Be Happy)》
油絵具、アクリル絵具、キャンバス、パネル
229.0×380.0×4.0 cm
VOCA佳作賞
VOCA佳作賞 𠮷田 芙希子 《Go into the Medaillon》
樹脂、ガラス繊維、油絵具、パネル
210.0×170.0×19.0 cm
大原美術館賞
大原美術館賞 髙木 優希 《Room》
油絵具、キャンバス
227.3×291.0×3.8 cm
選考所感
植松 由佳(選考委員長/国立国際美術館学芸課長)
毎回同様の文言になるのだが、今回も「平面」の多様性、可能性を実感した審査であった。映像を含んだ作品としては初のVOCA賞受賞となった宮本華子はその好例で、総合力の高さからも選考委員の支持を集めた。複数のオブジェが水中で崩壊する様に不穏さを見せる諫山元貴、テキスタイル技法という手による術から世界へと繋ぎ出す小林万里子、描かれたイメージへの異なるアプローチを誘う鮫島ゆい、継続的に制作する「イケメン」レリーフが美術史への問題提起も導く𠮷田芙希子と、いずれの受賞作も豊かな表現が見られた。
丹羽 晴美(東京都写真美術館事業企画課長学芸員)
作品が見る者をもって存在し続けるのだとしたら、作品の向こう側にある各々のアプローチをどのように有効化させるかが表現の一つの鍵となる。受賞作はいずれもその触手のような手法が際立っていた。見る者が作品の前で過ごす時間を意識し、見る / 考える / 記憶の奥底を覗き込む / 違和感の原因を探ること等、気づきを誘発する表現が試みられていたと思う。
拝戸 雅彦(キュレーター)
今回は選考委員としての初めての参加となりました。一方でさまざまなアーティストの側での問題意識による実制作があり、他方で単なる推薦書に留まることのない、アーティストを評価して言語化された学芸員などの言葉との組み合わせが面白く感じられました。私にとっては、日本における平面表現を超えて美術そのものの表現の現在を確認するいい機会となっています。これらの表現が評価されていく場所が海外なのか、それとも国内なのかは迷うところでした。今でも迷っています。
服部 浩之(キュレーター/東京藝術大学大学院准教授、国際芸術センター青森館長)
実直に時間をかけて平面に取り組む作家と、平面そのものを問う批評性をもつ作家の混在が印象的だった。宮本華子は緻密な思考を重ね細部まで丁寧に作り込み、多くの要素が見事に共鳴する作品を実現した。終わりなき崩壊過程を描出する諫山元貴の映像と、刺繍・染め・織などを重ね有機的な生の物語を紡ぐ小林万里子の手技の効いた対照的な作品の奨励賞受賞や、鮫島ゆいの断片構成による絵画や𠮷田芙希子の優美なレリーフの佳作賞受賞は平面表現の豊かさを体現する。
作家・推薦委員一覧
作家と推薦委員は下記のとおりです。(敬称略)
作家 | 推薦委員 | |
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諫山 元貴 | 松岡 剛 | 広島市現代美術館 主任学芸員 |
稲垣 美侑 | 貴家 映子 | 静岡県立美術館 上席学芸員 |
大野 晶 | 兼平 彦太郎 | キュレーター |
大森 記詩 | 工藤 健志 | 田川市美術館 館長 |
奥 誠之 | 奥脇 嵩大 | 青森県立美術館 学芸員 |
黒坂 祐 | 斎藤 菜生子 | 上野の森美術館 学芸員 |
小林 万里子 | 竹崎 瑞季 | 丸亀市猪熊弦一郎現代美術館 キュレーター |
佐藤 香 | 大政 愛 | はじまりの美術館 学芸員 |
佐藤 壮馬 | 宮井 和美 | モエレ沼公園 学芸員 |
鮫島 ゆい | 伊藤 まゆみ | 京都精華大学ギャラリーTerra-S 学芸員 |
澤田 華 | 茂原 奈保子 | 長野県立美術館 学芸員 |
スクリプカリウ落合 安奈 | 山田 裕理 | 東京都写真美術館 学芸員 |
髙木 優希 | 尹 志慧 | 国立新美術館 特定研究員 |
長谷川 彰宏 | 菊地 真央 | 埼玉県立近代美術館 学芸員 |
Barrack (古畑大気+近藤佳那子) |
秋庭 史典 | 名古屋大学大学院情報学研究科 教授 |
藤原 葵 | 勝田 琴絵 | 名古屋市美術館 学芸員 |
松本 玲子 | 大内 曜 | 東京都美術館 学芸員 |
宮本 華子 | 関岡 絵梨花 | キュレーター |
山形 一生 | 大下 裕司 | 大阪中之島美術館 学芸員 |
山田 彩加 | 杉山 はるか | 愛媛県美術館 専門学芸員 |
湯浅 要 | 町田 恵美 | キュレーター |
𠮷田 勝信 | 藤本 悠里子 | 秋田市文化創造館 コーディネーター |
𠮷田 芙希子 | 川西 由里 | 島根県立石見美術館 専門学芸員 |
開催概要
VOCA展2025 現代美術の展望 —新しい平面の作家たち—
- 主催
- 公益財団法人日本美術協会 上野の森美術館
- 特別協賛
- 第一生命保険株式会社
- 協力
- ヤマト運輸株式会社
- 会期
- 2025年3月15日(土) 〜 3月30日(日) [16日間/会期中無休]
- 会場
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上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)
10:00~17:00
※入場は閉館30分前まで
※最終日は15:00閉館 - 入場料
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一般800円(税込)、大学生400円(税込)、高校生以下無料
※学生の方は、学生証・生徒手帳をご提示ください。
※障がい者手帳をお持ちの方と付添の方1名は無料(要証明)。
※当日券窓口で友の会会員証をご提示いただくと、ご本人と同伴者1名様まで無料でご入場いただけます。
※日券窓口で「ぐるっとパス」をご利用いただくと、一般当日料金から 100円引きの 700円にてお入りいただけます。
※本券の変更・払戻・再発行・再入場不可。
※最新の開催情報は、上野の森美術館ホームページなどでお知らせします。
★本展チケットの半券をご提示いただくと、「FACE展2025」(2025年3月1日(土)~3月23日(日)SOMPO美術館にて開催)の観覧料が100円引きとなります。※ほかの割引との併用はできません。
- スペシャルチケット
- ■ペアチケット 1300円(税込)
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※数量限定につき予定枚数に達し次第販売終了となります。
※入場券2枚セット販売となりお二人で入場の方またはおひとりで2回入場いただく方にお得です。
※販売期間 2025年1月20日(月)午前10:00~3月14日(金)23:59 - ■あちこチケット 1400円(税込)
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※数量限定につき、予定数に達し次第販売終了となります。
※アソビュー*、e+(イープラス)、ローソンチケットでご購入ください。
※VOCA展2025入場券一般1枚と「FACE展2025」(2025年3月1日(土)~3月23日(日)SOMPO美術館にて開催)の観覧券1枚がセットになったお得なチケットです。
販売期間 2025年1月20日(月)午前10時~3月22日(土)23:59
*アソビュー!であちこチケットのご購入をお考えの方はFACE展公式サイトよりお買い求めください。 - 選考委員
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植松 由佳* (選考委員長/国立国際美術館学芸課長)
川浪 千鶴 (インディペンデント・キュレーター)
丹羽 晴美* (東京都写真美術館事業企画課長学芸員)
拝戸 雅彦* (キュレーター)
服部 浩之* (キュレーター/東京藝術大学大学院准教授、国際芸術センター青森館長)
※選考委員はその年の推薦委員を推挙し、出品作家の中から受賞者を選考する。*印は受賞者を選考した委員。
出品規定
チケット情報
アソビュー!
発売期間:2025年1月20日(月) 午前10時 ~ 3月30日(日) 14:30
公式電子チケット「アソビュー!」
WEBおよびアプリ
購入方法
※入場口でスマートフォン画面をご提示ください。スタッフが入場手続きを行いますので、スマートフォンが必要です。印刷や画面のスクリーンショットなどでは入場いただけません。
プレイガイド
発売期間:2025年1月20日(月) 午前10時 ~ 3月30日(日) 12:00
電子チケット「スマチケ」
WEBおよびアプリ
スマチケ購入方法
※入場時、お客様のスマートフォンで入場手続きを行います。印刷したチケット、画面のスクリーンショット等ではご入場いただけません。
※スマチケのご利用にはイープラスアプリ(無料)のインストールが必要です。推奨環境をご確認のうえ、ご利用ください。
e+(イープラス)
ファミリーマート店内マルチコピー機
店頭購入方法
ローソンチケット
ローソン・ミニストップ店内 Loppi
Lコード 39188
店頭購入方法
チケットぴあ
セブン-イレブン店頭(店内マルチコピー機 チケットぴあボタン)
Pコード 687-136
店頭購入方法
※販売状況によっては、予定より早く終了する場合があります。予めご了承ください。
※別途手数料がかかる場合があります。
関連企画
VOCA展シンポジウム 「VOCAの現在 — 平面の奥行き」
パネリスト | 受賞作家・選考委員 |
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日時 | 2025年3月14日(金) 14:00 ~ 16:00 |
定員 | 100名(要申込) *下記「シンポジウムお申し込みフォーム」からお申込みください。 |
2月17日(月)申し込み受付予定
受賞者が自作について語ります。 VOCA展アーティストトーク
2025年3月15日(土) 15:00~16:00 | 宮本華子、諫山元貴、鮫島ゆい |
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2025年3月22日(土) 15:00~16:00 | 小林万里子、𠮷田芙希子、髙木優希 |
*予約は不要、ただし入場券が必要です。詳細はホームページにてお知らせいたします。
同時開催 「竹中美幸 —わたしとかなた—」
日時 | 3月15日(土)~30日(日) 10:00~17:00 ※最終日は15:00閉館 |
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場所 | 上野の森美術館ギャラリー |

本展では、VOCA展に出品した作家の中から当館の学芸員が独自に選んだ作家の新作などを紹介します。今回はVOCA展 2012に出品した竹中美幸の、映画用フィルムや映像を用いたインスタレーションを展示します。
東京・春・音楽祭 ミュージアム・コンサート
2025年3月17日(月) 19:00開演 (18:30開場) | コハーン(クラリネット)~現代美術と音楽が出会うとき |
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2025年3月18日(火) 19:00開演 (18:30開場) | 中村翔太郎(ヴィオラ)~現代美術と音楽が出会うとき |
今年も—東京・春・音楽祭2025—のプログラムとして、VOCA 展展示室内でミュージアム・コンサートを開催。
現代美術の展示される会場で聴く現代音楽は普段では味わえない格別な時間をお届けいたします。
チケットのご購入等、詳しくは音楽祭の公式HPをご参照ください。
第一生命ロビー展示
HOME LIKE 宮本華子 個展 | 2025年1月16日(木) ~ 2月5日(水) 12:00~17:00 土・日・祝日休館 無料 |
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「自由だーーーーー!! 〜多様な幸せと希望に満ちた世界へ〜」 |
2025年3月14日(金) ~ 11月30日(日) 8:00~20:00 会期中無休 無料 |