| 日本の美・現代女流美術展 | ||
会期: 平成11年11月25日(木)〜12月5日(日) 終了しました 主催: (財)日本美術協会・上野の森美術館、(財)彫刻の森美術館、 フジテレビジョン、産経新聞社、ニッポン放送 後援: 文化庁 ★☆★伝統美と現代性★☆★ 日本画、洋画、版画、彫刻、工芸、書、写真の各分野を網羅する「日本の美 現代女流美術展」が今秋も開催されます。わが国の代表的女性作家94名によるさまざまなジャンルや素材の作品が展示される本展では、日本の伝統的な美意識や現代性にあふれる表現をご覧いただけるでしょう。 また、今回は彫刻家・多田美波さんの新作を含む作品7点を特別展示します。多田さんは抽象彫刻の第一人者であり、スティール、アクリル、ガラスなどの素材を生かした無駄のない美しいフォルムによって独自の空間を生みだしてきました。 なお、本展は女性芸術家の発表の場として大きな役割を担ってきましたが、第20回を迎える今回をもって最終回とし、その歴史に幕を閉じることとなりました。 ★☆★20年の軌跡★☆★ 現代女流美術展は、部門別の女流展ではなく、日本画、洋画、彫刻、工芸、書を網羅するわが国初めての女流の総合美術展として、1980年(昭和55年)から始まりました。日本の美術全体を総合的に紹介するということで、「日本の美」というサブタイトルがつけられ、第一回展の会場内には、茶席が設けられ、茶道と華道も参加するという華やかなスタートでした。 また、第10回展からは、あたらしい表現としての評価が高まった、写真が加わり、その内容を充実させてきました。この現代女流美術展は、あえて「女流」と「総合展」という部分にこだわることで、新たな視点を獲得し、わが国の美術の発展に独自の役割を果たすことができたように思います。 この点について、第一回展を記念して産経新聞紙上で行われた座談会で、洋画の藤川栄子さんは、「洋画とか日本画とか部門別の女流展というのはあまり意味がないと思う。総合展というところに値打ちがあります」と語っていますが、まさに、現代女流美術展の意義はここにありました。 そのため、本展には、それぞれの分野の第一線で活躍する百人近くの女流作家が競って新作を発表し、それぞれの時代の美術界のありようを広く俯瞰することができるような内容となっていました。 また、本展には、有望な新人も数多く登場しました。その一つの試みが、上野の森美術館絵画大賞展で入賞した女性作家に出品の場を提供してきたことです。同絵画大賞は、次代を担う作家を顕彰するために1983年に制定されたのですが、その第一回展で女性の北村一二三さんが大賞を受賞したときは、女流展出品を恒例化し、新しい息吹きを積極的に取り入れるようになりました。 加えて、第15回展(1994年)からは、毎回、日本の美術界に大きな貢献をされた作家をお一人ずつ選んで代表作を集め、特別展示をすることでその足跡を刻んできました。 最初は、その年白寿を迎えられた、日本画の小倉遊亀さんの画業を祝した展示で、その翌年は、この4月に亡くなられた洋画の三岸節子さんの作品を紹介しました。以降、日本画の片岡球子さん、工芸の大久保婦久子さん、洋画の桜井浜江さんと続き、今回は現代彫刻の世界で活躍されている多田美波さんの作品を特別展示します。 この20年間で、わが国における女性をめぐる状況は大きく変化しました。先に紹介しました座談会で、工芸の大久保婦久子さんは「いろいろな分野で、女性の活躍の場が広くなり、意欲のある人が多くなりましたから、これからが本当の意味で男性との対決でしょう」と話していますが、その言葉通り、この20年間に女性の活躍の場は飛躍的に広がり、多くの女流作家が世界中で活躍するようになりました。 一方、日本画の三谷糸子さん、菊川多賀さん、増田春光さん、洋画の藤川栄子さん、深沢紅子さん、後藤よ志子さん、仲田好江さん、三岸節子さん、書の熊谷恒子さん、筒井敬玉さん、町春草さん、川上拍翠さんら、初めの開催趣旨にご賛同いただいたかた方々が相次いで亡くなられました。 21世紀を迎えるいま、女流という枠組みを超えた新たな創造の場が求められています。現代女流美術展もまた一区切りをつけるべく、第20回展をもって、その歴史に幕を閉じることになりました。 最後に、これまでの展覧会開催に当たり、多くの方々のご協力をいただいたことを心より厚く感謝いたします。 |
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