2013年7月1日
本展、いくつかの象牙彫刻を展示しています。
小島彤山の「象墜」、安藤緑山の「蜜柑」、石川光明の「釣人」などなど。
なんと!紹介したい象牙彫刻が「まだまだ、あるじゃないか!」と、
今さらながら気がつきまして、象牙彫刻の作品をシリーズでお伝えしていくことにしました。
さて、早速。
前回の「蜜柑」につづいて、今回は「象墜」(宮内庁三の丸尚蔵館所蔵)をご紹介します。
「象墜(しょうつい)」は中国は唐の時代に書かれた『枕中記』という小説を主題に作られました。
ストーリーを簡単に紹介すると、『主人公の青年が、道士からもらった枕で寝たら出世する夢を見た』というもの。
(簡単すぎるので、あとは展示をご覧くださいね)
栄華栄達の夢を小さな象牙彫刻のなかに表した驚異的な作品は、わずか5センチほどの大きさ。
とにかく小さくて細かくてシビレます。
主人公は端の方に寝転んでいて(展示では、ルーペで覗くと正面に見えます)、枕のあたりから雲がムクムクと
沸き出しているのがわかります。
そしてその上にそびえる楼閣が14棟。その中には880人もの人がいて、さらに、ゾウやウマがいるとのことで。。。
実物は、本当に、今すぐにでも夢が現実になりそうな迫力を感じます。
今回のイラストはタッチが少々軽くなっております。
「お願い!夢で終わらせないで!。。」と言っている感じですみません。
画:村山之都
*「象墜」は後期のみの展示です。